東京、展覧会巡り 2016・9
出張で8年ぶりぐらいに東京に行ったので、1日多めに滞在して、観光がてら展覧会巡りをしたので、感想を書いた。
杉本博司/ロスト・ヒューマン(東京都写真美術館)
杉本博司さんの作品はやたらどこか行くたびに見てる気がするけど、いつものように特に何も知らずに行った。
見始めて、職業別の小道具たちと、手紙のようなものがそれぞれ貼られていた。途中でこれは、さまざまな人の遺品と死ぬ寸前に書いた手紙か、と気づいた。
展覧会のタイトルを見直すと、「ロスト・ヒューマン」。
その手紙のようなものの書き出しは、すべて「今日、世界は死んだ。もしかすると昨日かもしれないー」だった。
さまざな職業や、生き方の、それが原因で、世界が滅亡しました、という懺悔のような遺書だった。
自分は、その遺品や、遺書の貼られた中を歩き、一体何者なのか。もしかしたらそう遠くない、人類の滅亡のあとに、たまたま何かの間違いでタイムスリップした自分か。
それらの失敗から何かを学び、そうならないように、今を生きろ、ということなのか、と思った。
世界報道写真展2016(東京都写真美術館)
いきなりおそらく死んでいる血まみれの少女が、父親に抱かれている写真が目に飛び込んできた。
展示されている写真には、スポーツや、暮らし、生き物、都市、そういったものもあったけれど、ほとんどが内戦や、戦争、そこから逃れる難民たちの写真だった。
報道写真とはなんだろう。それを見せられてどうしろというのか。
死んだ人が写った写真や、血まみれの写真は、それを見て胸を痛めたり、ということもあるかもしれないけど、ある種、見てはいけないものを見ている、というような、背徳感のようなもので何か心が動かされている部分があるのではないかと思う。
戦争はなんてひどいことなんだ、と、知る。と同時に、映画や本や、テレビでしか戦争を知らない僕らは、この報道写真、という事実を、エンターテイメントのように見て、また普通に日々を暮らしていく。
なんなんだ、と思う。
土木展(21_21 DESIGN SIGHT)
土木展、というネーミングと、アートディレクション(Tシャツ買ってしまった)。ブランディングがよいので、ついつい行ってしまうような感じと、写真OKで、子連れも多く。たのしい展示だった。
内容としては、普段、あまり意識することのない、土木を知ってもらおう、という感じやと思うんやけど、ちょっと思っていたよりも子供向け、というか、浅めだった。せっかくの土木なので、もっとディープに、知らない機材や、工法とか、え、そんな土台の上に僕ら暮らしてるんですか、みたいなの教えてほしかった。
宇宙と芸術展(森美術館)
チーム・◯ボ、という字面で、ちょっと行くのをためらうところですが、「宇宙」「芸術」と、自分が好きなものが2つも並んでいるので、見ないわけにはいかんでしょう。
作品数が多くて、時代も多岐にわたるので、結局、何が伝えたかったのか、あんまりよくわからなかったけど、NASAのTシャツが買えただけで個人的には大満足。
チーム・◯ボ の作品も一応並んで見たけど、1作品で、展覧会のタイトルの下に入れられるぐらい、東京では引きが強いワードなのかなぁ、と思った。
セミコンダクターの「ブリリアント・ノイズ」っていうインスタレーション作品が池田亮司っぽかったけど良かった。
この「宇宙と芸術展」と、東京国立近代美術館で開催中の「トーマス・ルフ展」の前売りチケットを、たまたま通りがかった金券ショップに前売りチケットが売っていたので買っていったんやけど、「宇宙と芸術展」のインスタレーション作品とか映像作品でけっこう時間とられたらしく、気づいたら16時半。
あ、なんか嫌な予感する、っと思って「トーマス・ルフ展」ちゃんと調べたら東京国立近代美術館の開館時間が17時までで、入場が16時半まで。金曜が20時までらしいので、ダメ元で電話で聞いてみたら、通常通りの開館時間です、とのことで、行けず。
無念。
残された前売りチケットはなんとか友達に譲れる事になったので、まぁ、よかった。