映画「アメリカン・スナイパー」
遅ればせながらクリント・イーストウッド監督作品、「アメリカン・スナイパー」を見ました。「ゴーン・ガール」じゃなくてこっち見とけばよかったです。
あらすじをまとめようかとおもいましたが、下記。
クリス・カイルはアメリカ軍の中で歴代一位の狙撃記録を持つスナイパーだ。特殊部隊ネイビー・シールズの一員としてイラク戦争に参加し、米軍司令部ペンタゴンの公式記録では160人(未確認を含めると255人)の敵兵を射殺した。数多くの同胞を救い、米国からは史上最高の狙撃手として“英雄”と称えられ数々の勲章を手にし、イラク側からは「ラマディの悪魔」と呼ばれ恐れられ、その首には約2000万円(18万ドル)もの懸賞金が掛かったという。2008年にサドルシティ郊外で2100ヤード(1920m)も離れた敵兵に対し長距離狙撃を成功。驚異の天才スナイパーなのだ。2012年に発表した自伝「ネイビー・シールズ 最強の狙撃手」(原書房刊)は、13週間にも渡りニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー1位を独走。彼の偉業は世界中に知れ渡ることになった。
引用元:"アメリカの光と影 ── 伝説の狙撃手クリス・カイルの真実に迫る。 | THE PAGE(ザ・ページ)
といった感じで、そのページを読んでしまうと映画みなくていいんじゃないかな、とは感じてしまうのですが、僕は、事前情報なく、予告の、少年を撃つのかどうか、みたいな映像のみの情報で見ました。
映画の感想としては、実在の人物を元に作った映画というのも知らなかったので、いつ死ぬかわからない、という戦争映画ならではの緊張感があってずっとドキドキしていたのですが、事前にクリス・カイル関連の情報が入ってると、そのあたりどうなのかな、と思います。ぶっちゃけ、クライマックスの長距離狙撃や、砂嵐で置いていかれそうになるシーンとかも、冷静に見る感じになるんじゃないでしょうか。
おなじような戦争が背景で実在の人物を脚色をした作品に、宮崎駿監督作品「風立ちぬ」が記憶にあたらしいですが、そのときは事前情報がないことがある種の、残念さ(こういう話なら先に言ってよ感)につながったのにたいして、今回の「アメリカン・スナイパー」は、表題がそのままなのもありますが、知らない人でもついていける優しさがあって良かったです。
「風立ちぬ」は、なんか知ってる人には伝わるみたいなニュアンスがあったような気がします(ほとんどおぼえてないですが)。
人を殺すことの正義とは
自分だったら見てない映画の批評とかは絶対読まないので、これ読んでいる人は既に見た人か、ネタバレしてもいい人という前提で書いてるので、サイドストーリー的な感じの記事をリンクしておきますが、『アメリカン・スナイパー』を殺害した男の壮絶な半生に迫る | Qetic - 時代に口髭を生やすウェブマガジン “けてぃっく” といった視点もあって、なんだか結局、戦争というものはこれを単純に国や宗教に拡大しただけの、人類の精神病みたいなものなんじゃないかと思いました。
本当に憎むべきものは敵ではなく、人間の愚かさであると言えます。
ダメだし
個人的にしっくりこなかったところが1点だけあって、弟のジェフが、ちょいちょい兄のクリスを際立たせるためか、ダメな弟として出てくるのだけど、そこまで対比する比較対象としてのエピソードも深くないので、正直いらいないような気がしました。
そうなんだ。でもつらいこともあったけど、僕は映画ほど心が折れてはいなかったよ
引用元:"イーストウッド アメリカンスナイパー記録 ブラッドリー・クーパー
特にそのクリスが弟と飛行場で偶然会うシーンとか、すっかり弟がジェフ、という名前だったことを忘れている頃に、あれ、ジェフって弟やったっけ?みたいな、一瞬覚める感じと、それからなにもないんかい、みたいな肩透かし感があります。
あと、これは戦争映画すべてに言えることですが、戦闘シーンになると、誰が誰か正直わからんっていう。
全体的にはとても良い作品でした。